インド発PVのGoldi Solarが$161MMの大型調達|今週のクライメートテック資金調達 #012

今週は、〔スタートアップ資金調達〕に$504、〔プロジェクト・デット〕に$2040.1が集まりました(合計$2544.1m、金額非開示は集計外)。

目次

3行サマリー

スタートアップ資金調達動向:
主役はインドのGoldi SolarのGrowth $161m。送電DXのInfravision(B $91m)、再生e-bikeのUpway(C $60m)、発酵プロテインEVERY(D $55m)など電力網・循環・代替タンパクが大型調達。

プロジェクト資金調達動向:
米Vulcan Elementsがレアアース磁石製造でDebt $620m。欧州はエストニアBESSでPF Debt $94.1m、豪州・米国ではBESSのPF/Tax Equityが連続。

政策動向:
欧州委が「持続可能な輸送投資計画」を公表。短期で少なくとも$3.35bnを動員し、eSAFや水素案件を後押し。

今週の資金調達動向

サマリー(USD概算)

グループ件数開示額合計主な資金種別代表案件
スタートアップ/コーポレート(エクイティ/研究助成等)16$504mSeries A–D, GrowthGoldi Solar(Growth $161m)
M&A / Exit5非開示買収DEZによるTectus買収 ほか
プロジェクト系(PF/デット/資産売買)10$2040.1mPF Debt, Tax Equity, Grant, Corporate DebtVulcan Elements(Debt $620m)

— 注:合計は概算・非開示を除く。為替目安:£→$1.33、A$→$0.68、€→$1.10、C$→$0.74、¥→$0.0067(端数は$0.1m未満切り捨て)。通貨併記は一次発表に準拠。

A. スタートアップ / コーポレート

企業/国金額/ステージ概要主な投資家
Goldi Solar/IN$161m/GrowthPVモジュール製造強化Havells India, Ambit Global, Godwitt, Karmav, NSFO 他
Infravision/US$91m/Series B送電線ドローン施工・導体更新GIC, Activate, EIP, Hitachi Ventures
Upway/FR$60m/Series C中古e-bike再生・販売A.P. Moller Holding, Galvanize, Ora Global, Sequoia
The EVERY Company/US$55m/Series D発酵プロテイン開発McWin, Grosvenor AgTech, Main Sequence, SOSV, TO VC 他
BECIS/SG$45m/Growth産業向け分散型エネルギーKLP Norfund, Siemens FS
Source.ag/NL$17m/Series B温室向けAI栽培最適化Astanor, Enza Zaden, Harvest House
nextProtein/FR$16m/Series B昆虫由来飼料タンパクSwen CP, BII, Mirova, RAISE Impact
Synonym Biotechnologies/US$20m/Series Aバイオ製造施設マッチングGS Futures
Hullbot/AU$16m/Series A自律船底クリーニングRegeneration.vc, Artesian, Bandera, CTP, Impact Ventures 他
Tsuyo/IN$5m/SeedEVパワートレインAvaana Capital
Flux XII/US$4m/Seedフロー電池開発Grantham, Desai Ventures, WARF, gener8tor
Mimbly/SE$4m/Series A節水ランドリー技術Almi Invest GreenTech, Electrolux Professional, Länsförsäkringar
DREV/SE$3m/Seed二次電池材料リサイクルAlmi Invest GreenTech, Battle Born, Butterfly, SEB
Sawa Energy/RW$3m/Seed太陽光+蓄電の分散導入EDFI ElectriFI
Struck/NL$2m/Seed建設コンプライアンスAIValue Factory Ventures, Antler
Cambridge Photon Technology/GB$2m/Series A太陽電池用高機能材料Cambridge Enterprise, Innovate UK, Providence, Spectrum Impact, Tybourne

Goldi Solar — 特集

会社の概要

インド拠点のPVメーカー。セル/モジュール製造とEPCを展開し、直近は年産14.7GW規模まで能力を拡張。今回の成長資金(約$161m)で設備増強と垂直統合をさらに前倒し。

何ができるのか

住宅・商業・産業向けの多用途モジュールを量産。大口案件の納期/品質/コスト要件に合わせ、上流(セル)〜モジュール〜EPCまで一体で提案できる供給体制を強化。

技術のしくみ

結晶シリコン系を主力に、セル効率・封止材・バスバー設計を最適化。温度係数やPID耐性、機械強度のバランスをとった量産設計でLCOE低減を狙う。

料金・導入の進め方

案件規模・仕様に応じて見積。輸送・据付・系統連系のスケジュールを前提にLT短縮を重視し、一括調達やEPC同時発注で総コストを最適化。

他社との違い
  • 需要急伸市場(インド)に根差したスケールと供給安定性
  • セルまでの後工程を含む垂直統合志向(コストと品質の同時制御)
  • 大手ストラテジック投資家とのチャネル・調達面のシナジー
なぜ大型資金調達ができたのか

① 政策の“追い風”で投資回収の見通しが立つ:高効率モジュール向けPLI(補助)やALMM(適合機種リスト)再開、セル25%/モジュール40%の関税など、国内製造を後押しする制度が整備。輸入品との過度な価格競争を避けつつ、国内需要の取り込みでキャッシュフローが読みやすい。

② 需要の“確度”が高い:2030年に向けた非化石電源拡大と屋根置き補助(PM Surya Ghar)で内需が底堅い。Goldiは直近で生産能力を急拡大しており、製造能力×政策需要の組み合わせが投資家にとって“視認性の高い成長ストーリー”。

③ 垂直統合(セル内製化)でマージン改善余地が明確:セルまでの後工程を取り込むことで、原価低減と品質一貫管理が可能。価格下落局面でもコスト競争力を維持しやすく、資本投入の説得力が高い。

④ 戦略投資家の実需シナジー:電設・配電に強い国内大手が出資し、住宅〜商工業チャネルでの拡販や共同企画の余地がある。資本だけでなく販売面の“推進力”が評価ポイント。

B. M&A / Exit

企業/国金額/資金種別・ステージ概要
Tectus/DE非開示/買収DEZが産業屋根・Rooftop PV事業を統合
GWE Biogas/GB非開示/買収EDL Energyが食品廃棄物バイオガス発電を取得
Geo Impex/GE非開示/買収ConnectMがe-waste関連サービスを取得
ElectraTherm/US非開示/買収BITZERが廃熱回収技術を取得
Amperics/US非開示/買収ConnectMが非常用充電技術を取得

C. プロジェクト系

企業/国金額/資金種別・ステージ概要
Vulcan Elements/US$620m/Debtレアアース磁石製造の拡張資金
Baltic Storage Platform/EE$94.1m/PF DebtエストニアBESS(Hertz 1・2)
Akaysha Energy/AU$298m/PF DebtBESSプロジェクト資金
Molins/ES$347m/Debt持続可能建材事業の資金調達
Plus Power/US$160m/PF Tax EquityBESS 2案件の税額投資
Enlight Renewable Energy/IL$150m/PF Tax Equity再エネ・蓄電ポートフォリオ
Frontier Infrastructure Holdings/US$130m/Debtカーボンマネジメント基盤
Holmen/SE$115m/Debt森林資源由来製品の拡大資金
ReElement Technologies/US$80m/Debtレアアース・電池金属リサイクル
LanzaTech/US$46m/GrantEU支援のCO変換技術

参考文献・出典リンク一覧

一次情報・企業プレス・公的資料

CTVC

CTVC Issue 270(本稿は同号の「Deals of the Week(11/3–11/10)」を起点に、一次情報で裏取りし独自に要約・分析しました。先週号は #269)。

略語集

略語正式名称・説明
PFProject Finance(プロジェクトファイナンス)
BESSBattery Energy Storage System(蓄電システム)
DoDU.S. Department of Defense(米国国防総省)
OSCOffice of Strategic Capital(DoDの投融資機能)
EIBEuropean Investment Bank(欧州投資銀行)
NIBNordic Investment Bank(北欧投資銀行)

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この記事を書いた人

・ニックネーム:脱炭素メガネ
・所属:国内大手エネルギー企業
・担当領域:新規事業開発(経験10年以上)
・主なテーマ:次世代再エネ、カーボンリムーバル(DAC/DOC/BECCS/CCUS)、グリーン水素(AEM/PEM等)、LDES、次世代原子力(SMR)、核融合 など
・役割:クライメートテック分野の全社的な戦略策定・実行のリード、スタートアップ出資(スカウティング〜評価〜実行)

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